新型コロナウイルスワクチン接種が医療従事者に続き高齢者でも進んだ結果、副反応として最も警戒されてきた「アナフィラキシー」と呼ばれる重いアレルギーの頻度が米ファイザー製についてほぼ明らかになり、50代以下が中心と分かった。
厚生労働省が6月9日に示した集計によると、2月から5月30日までの約1300万回の接種後、国際基準を満たすアナフィラキシーは169件発生。100万回当たり13件と、まれだった。
9割以上が女性で、年齢層別では40代が58件と最も多く、30代の46件、50代36件と続く。65歳以上は1件で高齢者は少ない。症状が出た人は現場で応急処置が行われ、多くが軽快している。
企業や大学での接種が本格化すると若い世代の割合が増えるため、接種後15分は様子を見る対策が一層重要になると専門家は指摘している。
5月下旬から使われ始めた米モデルナのワクチンは同月末時点ではアナフィラキシーの報告はない。ただ接種回数がまだ少ないため、同省は今後の動向を注視する。