ファイザーとモデルナの新型コロナウイルスワクチンはメッセンジャー(m)RNAという人工の遺伝物質を使った新タイプ。その新しさも一因とみられる根拠のないうわさが会員制交流サイト(SNS)などで広まり、日米の保健当局は情報提供に躍起だ。
例えば「接種でコロナに感染する」とのうわさを米疾病対策センター(CDC)は「両ワクチンに生のウイルスは含まれておらず感染の心配はない」と完全否定する。
「遺伝子が操作される」も同様で、理由は「mRNAは人間の遺伝子を収めた細胞の核に入ることができないため、元の遺伝子は変わらない」。「接種した腕に磁石がくっつく」「マイクロチップを埋め込まれる」なども明確に誤りとする。
日本の厚生労働省も「流産や不妊が増える」との不安をあおる言説を受け「流産は増えておらず妊娠に悪影響を及ぼすとの報告もない」と強調。
ネット上の対策に詳しい日大危機管理学部の福田充教授は「政府や自治体など信頼できる情報源で確認を」と促す。