新型コロナウイルス感染防止のためのマスクについて政府は5月、状況によっては必要ないとの見解を示した。マスクの要否を各自が判断する場面は今後増えそう。基本性能を知っておきたい。
政府が推奨するのは不織布マスクだ。通常、フィルターなどを重ねた3層構造になっている。
慶応大理工学部の奥田知明教授(環境化学)は、不織布マスクが空気中を漂うさまざまな大きさの粒子を捕まえられるかどうかを調べる実験をした。その結果、フィルターの網目より小さな粒子も、かなり捕集できることが分かった。
「小さい粒子は空気中の分子とぶつかり、震えるように不規則に動くため、フィルターに引っかかりやすくなる」と奥田さんは解説する。
ただ不織布マスクは、顔との間に多少の隙間ができるのは避けられないため、粒子の吸い込みを完全には防げないことも分かった。奥田さんは「だから屋内では換気がより重要になる」と話している。