新型コロナ対策で店舗や公共の場に置かれたアルコール消毒液が幼児の目に入る事故が増えていると、フランスなどのチームが米医学誌に報告した。消毒液のスタンドを幼児が操作したのが原因とみられることから、危険性を大人が認識し、幼児だけで使わせないことが必要だとしている。
足でペダルを踏んだり、手を差し出したりすると消毒液が出るスタンドで、噴き出し口の高さが4歳前後の幼児の身長と同じ約1メートルのものが多い。
フランスの中毒事故センターの記録から、薬品で目に障害を負った子どもの事例を調査。昨年4〜8月は、アルコール消毒液が原因の障害が9・9%を占め、前年同期(1・3%)の約7倍に増えた。多くは軽症だが、中等度の角膜炎の報告もあった。
アルコール消毒液は粘膜への刺激が強く、目に入った場合は直ちに水やぬるま湯で洗い流すことが必要。子どもの症状が重ければ眼科で診療を受けるのがよい。