日本に導入された米ファイザー、同モデルナ製の新型コロナウイルスワクチンは、臨床試験で約95%の発症予防効果を示した。2回目の接種を終えて2週間程度たつと十分な免疫ができるとされるが、それ以降の感染例も少数ながらある。
こうした感染は海外で「突破」という意味の「ブレークスルー感染」と呼ばれる。米疾病対策センター(CDC)が米国での今年1~4月の事例を集計したところ、約1万人いた。その間に約1億100万人が接種を完了したため、頻度は0・01%という計算だ。
ブレークスルー感染の理由として考えられることは幾つかある。そもそもワクチンの効果は100%でなく、接種で獲得できる免疫の強さに個人差があることなどだ。さらに、ウイルスが変異するとワクチンの効果が落ちる可能性も国内外の研究で指摘されている。
専門家は「マスク着用などの予防策は、国民の多くがワクチン接種を終えるまで続けて」と呼び掛けている。